稲刈りを終えた下赤坂棚田のあちこちで「金盞香」。通常は「きんせんか、さく」と読むんだそうですが、どうみても「さく」という字が見当たらないではありませんか。誰が読んでも「金=きん」で「盞=せん」で、で「香=か」でしょ。何時かの時代に、誰かが咲くを「さく」除=削除? それとも、誰かの「さく」略=策略? こんな馬鹿げたクイズ、誰も解いてはくれないでしょうね。 さておき、このころ十月節立冬末の候ともなれば、金盞の花が咲き出します。で、その金盞っていったいぜんたいどんな花? なんですねー。正解は水仙の花。もともと暦法は中国から伝わったものでしたね、古代中国では水仙の花が咲き乱れる様を「金盞銀台」といったとのこと。金盞(きんさん)とは、水仙の異名だったのですねー。 明治のころ『略本暦』編纂の折、キンセンカ? がどうした? のかな? キンセンカゆうたら、花やろ。花やったら、咲いたんやろなー。長い歴史の中や、いたずら心で誰かがちょこっと謎かけたんかも知れんなー。編者の独断と偏見やけど、回答出しといたろ・・・と、足されたのかどうか定かではありませんが、正しくは「きんさんこうばし」なんだそうです。 「こうばし」から焦げのにおいを想像するなど、もってのほか(食用菊の一品種)で、香りが居残る晩秋との共香というべきでしょうか、そう…、いい香りを「こうばし」と表現したのですね。「かんばしい」とも表現できましょうが、冬に向かう風情は「こうばし」と短く言い切ってこそ感じられるのでは……。
ともあれ、暦の上で冬の気配が立ってはや一月と半ばがすぎた冬至の候、いよいよ冬本番の今日この頃ともなれば、水仙花も真っ盛り。風にのって棚田一面に香りが広がり、まさに「金盞香」の候であります。
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